昨年12月に4年ぶりとなるニュー・アルバム『リバイバル』をリリースしたエミネム。
『ロッキング・オン』4月号では、昨年に米「Interview Magazine」の企画にて行われたエミネムのインタビューを掲載。なんとエルトン・ジョンがインタビュアーという貴重なものだ。
インタビュー冒頭では、2人の出会いから両者による2001年のグラミー賞でのコラボのこと、そして当時のエミネムを悩ませた薬物中毒などについてまでが及んだ。
エルトン:きみはすごくコラボレーションがうまいよね。ぼくたちが知り合ったのもグラミー賞の時で、きみの方から“Stan”を一緒にやらないかって話があって。あれはぼくにとって忘れられないようなすごい体験になったんだよ。
エミネム:俺も忘れられないよ。しかも、あの頃は薬物でいかれてたっていうのに。
エルトン:薬をやってたの?
エミネム:会った頃は間違いなく薬漬けになってたよ。
エルトン:ぼくには、そうだとはわからなかったけどね。ぼくはただ、きみときみのパフォーマンスにただ目が眩むような思いだったし。背中と腕の毛が逆立ってくるような感じだったよ。まるで初めてミック・ジャガーを観た時のような感じだったんだ。
昨年10月に行われた「BET Hip-Hop Awards 2017」授賞式にて、トランプ米大統領を痛烈に批判したフリースタイル“The Storm”を披露したエミネム。
なぜこのフリースタイルを披露したかについては過去に記事でも取り上げているが、以下の会話ではそのフリースタイルについて述べた、2人の真摯な想いが語られている。
エルトン:それにしてもあれは表明されて然るべき内容だったね。ぼくは1970年以来アメリカを訪れていて、第二の故郷のように思ってるけど、でも、これほどまでの分裂をアメリカで目にしたことはいまだかつてないよ。ここまで深刻な事態になるとは思ったこともなかったし、それが本当に悲しいんだ。
エミネム:だから、抑圧に対して立ち上がっていくということだったんだよ。つまり、軍属の人とか、この国のために生命を捧げた人たちが、なんのために闘ってきたのかといったら、やっぱりそのためだったんだよね。
みんなの声がちゃんと代弁されるように、不正義に対しては抗議を行い、間違ってることに対してしっかりそうだと表明していくために、みんな闘ってきたんだ。
だから、俺たちは軍隊を貶めようとしてるわけじゃないし、国旗を貶めようとしてるわけじゃないし、この国を貶めようとしてるわけじゃないんだ。でも、みんなに気づいてほしい、ろくでもないことが現実に起きてるんだよ。この国の国民全員のことを考えようとしない人物が、俺たちの大統領になってるんだから。
こいつは俺たち全員にとっての大統領じゃないんだよ。こいつは俺たちの中の、一部の人たちのための大統領なんだ。こいつには自分がなにをなんの目的でやってるのか、よくわかってるはずだから。
エルトン:すべてに、なにかしらの意図や思惑があると。
エミネム:自分の基盤さえ安全なら、こいつはアメリカの誰のことも気にかけちゃいないから。けど、知ってる? あいつらの総数より、俺たちの総数の方が多いんだよ。俺は今でもアメリカは住むには最高の国だと思うよ。これは俺の意見だけど。
でも、俺たちで取り組んでよりよくしていかなくちゃならない問題がいろいろあるんだよ。
他にもインタビューでは、ドクター・ドレーとの信頼関係や今すごいと思うヒップホップ・アーティストなど、エルトン・ジョンだからこそ引き出せるエミネムの率直な言葉が綴られている。
ジャンルは異なるがとても深い部分で繋がった、まさに盟友同士の貴重なインタビューの全文はぜひ本誌で。
『ロッキング・オン』4月号の詳細はこちらから。
http://www.rockinon.co.jp/product/magazine/144330