ブライアン・メイと天文学者ら、小惑星衝突の危機に向け立ち上がる

ブライアン・メイと天文学者ら、小惑星衝突の危機に向け立ち上がる

クイーンのブライアン・メイが、天文学者や宇宙飛行士らとともに、将来的な小惑星衝突に備えて警戒態勢の強化を促すライヴ・イヴェントの開催や啓発デーの設置を呼びかけている。

このアステロイド・アウェアネス・デー(小惑星啓発デー)を呼びかけているのは天文学者のリース卿、スペース・シャトルの乗組員として活動したエドワード・ルーやブライアンらで、来年6月30日を小惑星啓発デーとして定めることを宣言していて、衝突の危険性のある小惑星探索のスピードと精度を現在より100倍上げていかなければならないと訴えている。ブライアンは次のように語っている。

「ぼくたちはこれまで考えられていたよりももっと危険にさらされているのがわかってきたんだよ。というのも、地球に大損害をもたらすような規模の小惑星衝突の可能性が100万ケースくらい考えられるとして今ぼくたちにわかっているのは1万個についてのみで、それだと1パーセントしかわかってないことになるからなんだよ」

国際宇宙ステーションやロシアの宇宙ステーションであるミールにも滞在経験を持つルーは次のように語っている。

「ぼくたちはこれがただ重要なだけじゃなくて、自分たちで変えられる問題なんだということを理解してくれる人たち全員に支持してもらいたいんだ。ぼくたちはいずれかの時点でこの問題を解決しなきゃならない。ぼくたちには時間が迫ってるんだけど、その時計が見えていない状態なんだ。まだ次の大衝突がいつ起きるのかわからないんだよ」

なお、来年の6月30日にはライヴ・エイド形式のチャリティ・ライヴ・イヴェントの開催を考えているという。ちなみに小惑星啓発デーに指定された6月30日は、1908年にシベリアのツングースカに落下し、2000平方キロメートルにわたって森林をなぎ倒した隕石による大爆発が起きた日にちなんでいる。この大爆発では隕石は落下前に空中で爆発を起こし、水素爆弾に匹敵する被害をもたらしたという。

同程度の小惑星衝突がロンドンに落下した場合、円周約200キロメートルになるロンドンの環状高速道路M25号線の内側は完全に破壊され、イギリス中部の鉄道の線路はすべて使えなくなるとアーマー天文台のビル・ネイピアとデイヴィッド・アッシャーはザ・ガーディアン紙に語っている。さらにオックスフォードでも衝突の衝撃で人は吹っ飛ばされて立っていられず、火傷を負うことになり、グラスゴーやエディンバラでも通行人の帽子などは吹き飛ばされることになるという。

直径数キロメートルもある小惑星や彗星の地球への衝突は1千万年に1度の確率で起きているというが、およそ6550万年前にメキシコのチクシュルーブで起きた小惑星衝突は世界的な気候変動を引き起こし、恐竜の絶滅を招いたとされている。

より身近な例としては空中で爆発する隕石などがあり、最近では昨年ロシアのチェリャビンスク州で隕石の爆発が目撃され、ニュースでも爆発を伝える動画などが報じられることになった。

今回の発起人たちはより効果的な観測体制の確立を訴えていて、ブライアンはそのためにはより多くの資金が集まるようにしたいとも語っている。それがどのような恩恵をもたらしうるか、ブライアンは次のように語っている。

「将来的な巨大衝突を予測できるようになれば、問題の小惑星を横から突っつくことで軌道を変えて地球に当たらないようにすることも可能なんだよ」

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