ボストンでアイリッシュ魂を燃え立たせ続ける激渋&熱血パンク10作目。リーダーのケン・ケーシーによれば、「トランプ批判だけで37枚アルバムを作れるけど、そんなものより、暗い時代にみんなの気持ちを明るくさせられる音を鳴らしたかった」とのことで、前作以上にアッパーな曲がズラリと並ぶ。
「ミック・ジョーンズが俺のプディングを盗んだ!」と叫び倒す5曲目は、絵が可愛らしいビデオをぜひ観てほしい。タイトルはダムド風なのに、リフはディープ・パープルの“ブラック・ナイト”っぽい8曲目。“キスしてグッバイ”が挟まれる9曲目。そして最後に、シンガーのアル・バーの父親とコロナの犠牲者を悼むナンバーがグッと締めくくる。
ロックダウンの中、ディスタンスを徹底して制作したそうだが、現実の距離感を埋めるべく、いっそう熱く漢気が迸っているかのようだ。(鈴木喜之)
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