10月で「+-=÷×(マセマティックス)ツアー」の北アメリカ分を終えるエド・シーランだが、なんとアジアツアーが決定し、来日も来年1月に実現することになった。北アメリカツアーの前にはニュージーランドとオーストラリアのツアーを敢行していて、そのまま北アメリカに行ってしまったので、もはや今回はアジア公演も来日もないのかと思っていたのだが、急遽、東アジアから東南アジア、そして東ヨーロッパへと抜けていく今回の旅程が発表されたのだ。日本公演はその冒頭を飾る、東京と大阪の2公演になる。
いずれにしても、今回のツアーはタイトルからわかるように『+(プラス)』から『-(サブトラクト)』までの楽曲を取り上げるもので、ギター1本で希代のポップソングライターとしての人気と定評を獲得してきた2011年から現在までのその歩みを確認するものとなっている。最新作『-』からの楽曲は現時点では、あまりセットリストで取り上げていない様子だが、それはよりポップで人気の高い楽曲を優先させるためだ。
しかし、アメリカツアーのごく一部での公演では『-』からの楽曲を披露していて、ひょっとしたら、日本公演でも『-』からの楽曲も取り上げ、より全体的な足跡を体感できる内容になるかもしれない。
なぜ『-』にそこまでこだわるのかというと、このタイトルが意味深だからである。「サブトラクト」、つまり「引き算」ということで、これまでの超絶ポップ曲を封印し、素の自分と向き合う作品となったからだ。これは明らかに『+』で注目され、ファレル・ウィリアムスなどさまざまなプロデューサーから声がかかり、ギター1本で再現できる艶やかなポップソングを生み出してきたここ10年あまりの活動をいったん締め括るものとしか思えないからだ。
ある意味で、エドのあの機材を駆使した超絶ワンマンライブを、京セラドームや東京ドームという規模で観るのもこれが最後かもしれない。 “Aチーム~飛べない天使たち~”から始まったこの物語をどう締め括るのか。ぜひ目撃したい。 (高見展)
エド・シーランの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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