ミック・ジャガー&キース・リチャーズ、最新インタビュー! 18年ぶりのオリジナル新作『ハックニー・ダイアモンズ』を語る

ミック・ジャガー&キース・リチャーズ、最新インタビュー!  18年ぶりのオリジナル新作『ハックニー・ダイアモンズ』を語る - rockin'on 2023年12月号 中面rockin'on 2023年12月号 中面

現在発売中のロッキング・オン12月号では、ザ・ローリング・ストーンズミック・ジャガーキース・リチャーズのインタビューを掲載!
以下、それぞれのインタビューの冒頭部分より。


■MICK JAGGER
 INTERVIEW 2023

「俺は実際すごく心配だったんだ、アルバムやろうって息巻いてる人間が誰もいなかったんだから。
数年ごとにツアーに出て、あとは何もしないで過ごしても、それでみんな満足してるみたいだった」


「調子どう?」。ミック・ジャガーは細い体をカラフルなシャツと黒のスキニーパンツに包み、光沢のある新モデルのスニーカーを履いている。豊かな鳶色の髪の下にある80歳の顔は、若くも見え、年齢相応にも見える。ミックには同年輩の男性と変わらず深い皺が刻まれてはいるが、一方でそこには悪戯っ気や反逆者の精神が覗き、彼がぶつぶつ不満を呟く姿などとても想像できない。

ミックは過去を振り返らない人間として知られている。「そういうノスタルジーはもう沢山だ、馬鹿らしい!」。土曜の晩、彼は一度ならずそう口にした。ウエスト・ロンドン、ハマースミスの川沿いにある豪華なアーツ&クラフツ風建物のウッドパネルに囲まれた一室で、私はザ・ローリング・ストーンズの新作『ハックニー・ダイアモンズ』について話を聞いている。

今作に収録された嘆きのバラード“ディペンディング・オン・ユー”から私が想起するのは1971年の切ないクラシック“ワイルド・ホース”だ。この曲がレコーディングされたアラバマの奥地にある小さなスタジオ、マッスル・ショールズは、この珠玉のカントリーロックサウンドを捉えたスタジオとして知られるようになった。だが私のそんな感慨も、彼は一切受け入れようとしない。

「俺には全くそんなふうに聞こえないな」と彼は言い返す。「“ディペンディング・オン・ユー”は、俺に言わせれば今のLAポップだよ。みんなから、『ああ、ロニーがまたあのギターパートを弾いてる』とか言われたくないからね、オルガンやストリングスやボーカルを加えたんだ……マッスル・ショールズにそんなものはないだろう。あそこは当時ですらローファイだった。だからさ、“ワイルド・ホース”を今聴いてみろって。毛布にくるまれてるみたいなサウンドだよ」
(以下、本誌記事へ続く)


■KEITH RICHARDS
 INTERVIEW 2023

「曲の形を作っていく上ではかなり貢献してる。
ミックの持ってきたやつをもとにリフを作るとかね。
あいつの意気込みを捉えたいと思った。
これをやった時の俺たちの切迫感とスピードには自分でも驚いたよ。
『よし! 今のテイクはよかった、はい次!」みたいな感じでさ』」


柔らかな笑い声が姿より先に部屋に入ってくる。それから彼が現れる――キース・リチャーズである。『ニュー・ミュージカル・エクスプレス』が「世界一優雅に壊れた人間」と呼んでから半世紀、ザ・ローリング・ストーンズのギタリストは79歳になった。とはいえ、Tシャツに黒のジャケットを羽織り、まとまらないグレイヘアを中折れ帽にたくし込んだその姿は驚くほど元気で健康そうだ。

彼は挨拶がわりに私の肩を叩く。その手は180センチほどの体にしては大きく、肌はガサガサ、指はゴツゴツ骨張っている――「労働者の手」と彼は言う。生涯ギターを弾き続けてきた指先はすっかり硬くなっている。「バーナーで焼いたってプレイできるぜ」と彼は笑い、その場面を想像するかのように鼻をうごめかせる。「皮膚が焼ける匂いだ!」

キースに会うと言うと、誰もが必ず知りたがることがある――何十年もの間、ロックロール界前代未聞の悪名を馳せてきた人間が、どうしてまだ生きていられるんだ? 「俺がここまで色々乗り切ってきた方法は他の誰にもお勧めしない」。彼は肩をすくめる。「だけど俺はその時その時自分で必要だと思った通りにやってきた。それにそうだな、もしおんなじことをやるんなら、誰にでも役立つことを一つ言ってやれるかもしれない。キースからのアドバイスだ――あんまり心配しすぎんなって!」

キースは雄弁で、正直で、ウィットに富み、常に楽しい話し相手だ。ロンドンの会員制ホテルの読書室で腰をおろした彼は絶好調といった風情で、間近に迫ったアルバムリリースで勢いがついているのは明らかだ。今作『ハックニー・ダイアモンズ』は、新曲を集めたアルバムとしてはバンドにとって18年ぶりとなる。「レコーディングやっててこんなに楽しかったのは初めてだ。今回のはほんと、急きたてられるみたいに、エネルギー全開でぶっ飛ばした」とリチャーズは言う。「電撃の勢いでやっつけたね」
(以下、本誌記事へ続く)



ザ・ローリング・ストーンズ:ミック・ジャガーとキース・リチャーズの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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